A 治療方法
・抗憂鬱剤系統の薬物の経口投薬
ソトラルリン、プロジャック等の抗憂鬱剤系統の薬を服用していた患者達が射精の困難を訴えたことから着安し、早漏症の治療に使用されはじめました。
心理的な原因による早漏症の治療に効果があると判断され、主に若い患者達に使用されています。70%ぐらいの効果を見せていますが、長期的な結果についてはまだ明らかになったことがないので、薬物の投薬を中断すると早漏が再発する可能性が高いと見られています。
・局所麻酔成分の塗る軟膏剤を使用
長い間、リドケイン類の局所麻酔剤が含まれたスプレーや軟膏剤が早漏の予防のために使用されていました。この治療剤はその歴史が長いので、ある程度の効果が認められています。ただ、長期間使用した時は徐々にその効果が落ちてくるので薬を中断すると再発する可能性が高いです。
最近、漢方剤を使ったクリーム類が新しく出ましたが、効果の面ではあまり変わらないと判断されています。
・注射療法
勃起誘発剤の注射治療は射精後も勃起が続く特徴があります。
このような点を利用し、早漏患者達に一種の行動療法として治療のために使用されていますが、治療の初期段階では射精前のオルガニズムの段階を感じさせ、一定期間を使った後には射精をコントロール出来るように教育します。
射精後も勃起が続くのでハートナーを満足させる間は、性関係を続けることによって心理的な安定感を持たせるという長所もあります。勃起力が低下することによって二次的に早漏になる中高年の患者達に勃起力の向上や早漏治療として効果のある治療法です。
・バイオフィドバック及び電気刺激治療
射精を起こす要素の内、局所感覚神経によって筋肉を調節する自律神経がもっとも重要だと考える原理から出発した治療法です。前立腺や精嚢周辺の誨淫部の筋肉に対する電気刺激で収縮と弛緩が調節出来るように訓練させる方法です。
現在、アメリカの一部の大学やヨーロッパの性専門クリニックで活発に研究されている治療法です。
・手術
「陰茎背部神経遮断手術」
早漏症患者の一部では亀頭感覚が他人より敏感だということが分かりました。
このような人達は麻酔剤を混ぜた軟膏剤を塗った後、セックスすれば射精時間を遅延させることが出来ました。この理論を応用し、亀頭感覚神経の中の一部分を切除する手術です。
陰茎背部神経は亀頭や尿道部位の接触性感覚を脳に伝える役割をしていますが、亀頭部位では神経の枝がまるで木の枝のように沢山の枝道に分かれています。従って、この中の一部を切除すれば感覚の強度をダウンさせることが出来ます。
「亀頭薬物投入術 + 神経遮断手術」
これは亀頭と早漏症を同時に治療したい時、用いる手術方法です。亀頭増大手術の1つの方法である‘ヒアルロンサン注入術’と早漏症の手術方法である‘陰茎背部神経遮断手術’とを混合して行います。
・行動療法
古典的な治療法で早漏の原因は心理的なことから始まったという説を元にして考案されました。
マスタズとゾンズというアメリカの性医学者達はマスターベーションを利用し、言わば「ストップ
― スタート法(Stop-Start Method)」を提案しました。即ち、マスターベーションをしながら性感が高潮される段階を認知して射精直前に行為をストップ出来るという説です。
又、シマンズという人は‘亀頭圧迫法’を提案しましたが、上と似ている原理です。しかし、時間が沢山かかり、手順が不便で再発が多いので現在は段々消えている治療法です。
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